『正直不動産』11巻の感想レビュー「永瀬に突きつけられる過去の所業と未来」

正直不動産11巻の表紙
【出典】『正直不動産』(小学館)11巻Kindle版表紙

本編だけでなく、巻末のエッセイもおもしろい!
ラフスケッチが初めて収録されていましたね。

月下と花澤の女の戦いも激しいですが、11巻の個人的なメインは、

  • 永瀬、過去の悪事との葛藤
  • 黒須、再登場

まさか、黒須がまた出てくるとは思わなかったですね~、これは意外。

正直不動産11巻の1コマ
【出典】『正直不動産』(小学館)11巻Kindle版No.54

見た目以外は好きなキャラなので、テンション上がりました!
永瀬がお見舞いに来てくれたことに恩義を感じているなんて、やっぱり根は良いヤツです。

目次

永瀬が過去の阿漕な営業方法の十字架を背負う

こんなストーリーにしてくるとは・・・すごい!!
正直営業で課長代理に昇進して今後は永瀬のクリーンな未来を描くかと思いきや、過去の悪事を不問にせずつきつけてくるとは・・・

  • 知っていて言わない
  • わかっていても違法じゃないから説明しない
  • 嘘じゃないけれど限りなくグレー
  • 押し付けたわけじゃない(無知なのが悪い)

このパターンは本当に多いですよね。
不動産業界に限らず、広告や通販業界でもひどいもんです。

日本経済はバカをカモにして回っている(程度の差こそあれ)

「キレイごとじゃ食えないから」という決まり文句を盾に「効果がない、良い結果が出るのは稀」とわかっていて売りつける、自分さえ稼げればそれでいい。
今だけ、金だけ、自分(自社)だけ。

売上をあげることはすごいことなんだ、利益を出すのが偉いんだと信じ込んで、毎日毎日、リテラシーの低いバカに買わせる、申し込ませることに腐心する。

この正直不動産をお読みの方なら感じたことがあるでしょう?

今の日本社会は「人間としてクズのほうがお金が稼げる」ことに。
例えば、成金系の輩によくいるでしょ
「自分は、高卒で頭が悪いのに大卒をはるかにしのぐぐらい稼いでいる」
「まともに就職したことないクズなのに○○億円稼げた」

違う違う、クズだから、稼げたの。
倫理観や良心がぶっ壊れているバカだから、稼げたの。
越えちゃいけない一線まで越えちゃってるの。

そういう輩のやっている商売や事業内容をじっくり調べてみてください。
まっとうな感覚を持った人間なら、おおよそ手を出さないやり方をしていますから。
(実に巧妙に表面上を取り繕って、外からは見えにくい場合も多いですが)

銭を儲けることだけ考えるなら、モラルなんか捨て去ったほうが簡単です。
これは事業者だけでなく、サラリーマンでも同じです。

そして、なぜこんなアホみたいなことを直接的・間接的にやり続けないといけないのかというと・・・

すべてが揃っているから。

この生まれた瞬間から、快適な生活を送るためのモノがほぼ揃っている時代に、世の中に無いものを生み出す・付加価値をつけて売るなんて至難の業なんですよ。

かなりのムリゲー

だから、世の中の95%ぐらいの商品やサービスは本来、一切必要ないものです。
それをあの手この手を使って、さも必要かのように思わせ、財布から金を出させる。
特に、健康食品や女性向けの美容商品なんてえげつないものだらけ。

「マーケティング」なんてカッコイイ横文字を使って善人面して嵌め込む。
寄り添うフリをして恐怖心や不安感を煽る。

それをごく一部を除いて、大企業から中小企業、そして医療機関までがやっているのが日本の資本主義というやつです。

日本国家自体が奈落に落ちている最中ですから、もう東証一部上場企業であってもなりふり構っていられない。
利益を出さないといけない仕組みになっているので。
ここでは、あえて社名などは挙げませんが、大企業の阿漕な商売が与える社会的な影響というのはどれほどのものなんでしょうか、時々考えさせられます。

さらに、こんなことばかりやっているから、やりがいがない

まだ世の中に「無いもの」のほうが多かった時代は良かったと思いますよ。
ごくごく普通の会社員などの末端の労働者でも、「世の中に必要なものを作っている」ことの一部に携わることができた。
自分が担当している業務が社会にまだ無いものを生み出し、本当の意味で誰かの役に立っている感覚を味わえた。

そんな感覚が今の時代にありますか?

すでにあるものを維持するだけに働くというのは地獄ですよ。
新しく始まった現代のサービスもBtoB、BtoC問わず、

  • 現状から目を背けさせるのが目的の商品
  • 細々とした調整をするだけのツール
  • 本当にお得かどうかもわかりにくいアプリ

などなど、正直なくても何も困らないものばかり。

自分の頭で考えられる方はもうお気づきでしょう。
「これ以上利便性を追求したら、人間は自分で自分の首を絞めて終わる」ことに。
(自然環境や生態系の破壊、動植物への悪影響、食物連鎖の過程で人間に還ってくる)

成長信仰を止めて、意図的な退化すら求められている。

未来のある若い層そして、
これから日本社会に生まれてくる子どもに待っているのは、虚無。
ただ、ひたすらの虚無。
永遠の虚無。

「何のために人間は生きているのか」
筆舌に尽くしがたいほどの空虚感を味わうことになります。
ビジネスが歴史的使命を終えた状態からのスタートです。

・・・そんなことをこの正直不動産11巻で思わされました。

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